無題

ねぇ。●●さん。
私が届けた言葉は、今どれくらいあなたの中に残ってる？

好きなもののこと、絵のこと、オフの生活のこと…。
いろんなこと、メールで話したよね。

同い年のあなたに私は親近感を持っていて
長く友達でいられると思っていたよ。

そう。あの日までは。

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…NANAっぽい（？）ナレーションでこんばんは。
アニメ毎週観ています。なんか深いよね。

なんで急にこんな語り出しなのかというと、
オフの日記を読み返していて、ネッ友と決別した日の日付が目に留まったからです。
ああ…。あれからちょうど半年経つんだ。長いような短いような。
あの日以来パッタリと連絡は途絶えたけど、今どうしてるんだろ。

なんか、あの１件で初めて自分の対人能力の無さとか
どんなに歩み寄ろうとしても理解し合えない人が世の中にはいるんだってことを痛感しましたよ。
オンでもオフでも、私は周りがオトナで救われていたんだなと思った。

ってことで、以下チラシの裏。

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彼女とは共通の話題で知り合って、年が同じということもあってケータイでメールの交換とかして
２年…３年くらい仲良くしていたかな。
たまに自分の価値観と合わなくてイラッとすることもあったけど
それはオフの友人でも同じこと。ちょっとくらいは見ないようにして、それなりにうまくいっているつもりでした。

でも、積もり積もった不満はどうしても解消できなくて。
ある日、自分が彼女に対して感じていることをありのまま伝えようと決心したのです。
信頼関係の確立している相手からの苦言なら、多少反発はあっても素直に聞ける。
私は彼女のことを友達だと思っているし、彼女もきっと私のことを友達だと思ってくれている。
きっと冷静に受け止めてくれる。より良い関係になれる。

…と、思っていたのだけど。
まぁ、結果は散々でね。反発どころか全力で反撃されて、正直思考能力がすっ飛びました。

彼女からの返事を読んで最初に込み上げたのは、怒りと悲しみ。
どうして私がここまで言われないといけないのか。
自分が今まで我慢して、必死に守ろうとしていたものは何だったのか。
彼女と作ってきた思い出や交わした言葉の全てが上っ面だけのものだった気がして
悲しくて、悔しくて、ぼろぼろ泣いて今までやりとりしたメールも連絡先も全部削除しました。

少し冷静になって、次に感じたのは憐憫の情。
他人にしがみついて、慰めてもらうことでしか満足を得られないなんて。

可哀想な人。

私を否定して、それであなたの寂しさが満たされるならすればいい。
百の言葉で攻撃されるよりも、静かに哀れみの目で見られることの方が
ずっとずっと屈辱的だと気付くことでしょう。

そして今、日記を読み返して感じるのは。
自分だって、彼女と同じ。自分のことしか見えてなかった。
自分は傷ついた。自分は悲しかった。自分は、自分は…。

彼女も日記をつけているとしたら、あの日の日記には私と同じことを書いたんだろうね。
自分は一生懸命頑張ったのに。傷付けられた。裏切られた。悲しい。悔しい。
結局、お互いに自分のことしか考えていなかっただけ。
自分に非はないと、自分は関係を保つために努力したのだと言い張るだけ。

彼女は、ただ本当に寂しかっただけなのかもしれない。
自分の話を聞いて「わかるよ」と言い、受け入れてくれる人を求めていただけなのかもしれない。
その相手として私を選んで、頼りにしていただけなのかもしれない。
今なら、そうやって冷静に考えられる。

でもね。

私だって自分に自信がなくて、もういっぱいいっぱい。
他の人の苦しさとか悩みとか、代わりに全部背負ってあげられる余裕はないし、
妬みとか自慢とか笑って受け止めてあげられるほど大人じゃないの。

私は彼女のことを友達だと思っていたから、そういう私の弱さも理解してもらえると思って
こちらが冷静になって言えば冷静に受け止めてくれると思って
今までモヤモヤと感じていた彼女に対する不満とかを正直に明かしたけれど。

甘かったみたい。結局、彼女にとって私は対等な関係じゃなかったんだね。
だって、人間って格下に注意されるとムカってくるものじゃない？
「あなたにそんなこと言われる筋合いはありません」って返事は、つまりそういうこと。

こんな所、彼女が読んでいるわけがないのだけど。
もしも何か言えるとしたら、こう言いたい。

あなたとの一件で、私は冷静に自分を見つめて、少し大人になった気がします。
「言葉の端々にトゲを感じる」と言ったあなたの言葉は、多分間違っていません。
ウソを言うのがイヤで、でも愛想は良くしたくて遠回しに皮肉に似た言葉を使うのは
私のネット上での性格ゆえ。気付かせてくれてありがとう。
今は、少し気にするようにしています。相変わらずって気もするけれど。

あの時のあなたの気持ちを考えると、今は少し胸が痛むところもあります。
できるなら、あなたの寂しさをもっと大きな心で支えてあげられたら良かったと思います。
でも、自分の許容範囲以上のものを抱え込もうとすると必ず反動が来るから。
酷い言い方だけど、自分の心の安定のためにあなたを突き放したことを、私は間違っていたとは思わない。
私の小さな心と腕で支えられるものなんて、ごく限られているんだよ。

むしろもっと早い段階で言えば、お互い傷も浅くてすんだのにね。
あなたに対する不満や、「もうこれ以上抱えてあげられない」って気持ちを
溜めて、溜めて、結局あなたからしたら、今まで仲良くして信じていた人から
ある日突然力一杯突き放された形になってしまったのかも。

せめて今、あなたのことを丸ごと受け止めてくれる人が、あなたの傍にいますように。
互いに尊敬しあい、言いたいことを言い合って、一緒に成長し合える人と巡り会っていますように。
私にはできなかったことをしてくれる、気付かせてくれる人と共に生きていますように。
そして何よりも、あの一件が、あなたにとっても何かしらの成長の糧となっていますように。

あなたの手を放した私があなたのために祈れるのは、そんなことくらい。